産婆さん、50年やりました

井上理津子 著【著書紹介
1996年発行 筑摩書房 ¥1,631+税

1943年に助産婦を開業した前田たまゑさんの歴史は、戦後日本の出産の歴史でもある。8000人の赤ちゃんを取り上げた助産婦が語る、ベビーブーム、家族計画、病院出産など。お産の数だけドラマがある。

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著者メッセージ

兵庫県尼崎市の前田たまゑさん(1918年〜)の"産婆人生"を聞き書きしました。前田さんとは、『女・仕事』の取材で知り合い、後に、私自身が2人目の子どもを前田さんの介助で産んだのですが、その際に腕の確かさに裏付けされる来し方を「知りたい!」と思いました。「女の天職やと思って産婆になったのに、男の医者にこんなに"お客"を奪われるとは」「昔ながらの手法にラマーズ法を取り入れたお産が一番。陣痛促進剤を使い、会陰切開をする医者のお産とは、月とスッポン」。助産婦としての前田さんの人生は、日本の助産の歴史そのものだと感じたのです。

前田さんは1918年生まれ。苦学して、1942年に産婆免許を取得。戦中、戦後を通じて72歳まで助産婦を続け、8000人の赤ちゃんを取り上げた人でした。

著書紹介